RとCを入れ替えた回路をCR回路と呼びます。
CR回路は回路上に意図せず存在することがあります。
例えば図1のように2つのパターン間には寄生容量が存在します。
このため黄色の部分がCR回路として働き、下側のパターンを流れ得る信号が上側に漏れ込みます。

図1 基板上に形成されるCR回路
図2はCR回路にステップ信号を入力した例です。
ステップ信号には高い周波数成分が含まれ、その周波数ではコンデンサCのインピーダンスは低いため、そのまま通過できます。
その後コンデンサが徐々に充電され、両端電圧は上がり、その分抵抗両端電圧、出力は低下します。

図2 CR回路にステップ信号を加えた場合
図3はR=1kΩ、C=0.01μFでのシミュレーション結果です。
理論通り出力が90%から10%まで変化する時間は理論値
2.2RC=2.2×1×103×0.01×10-6=22μs
と一致します。

図3 時定数10μsのCR回路の出力波形
図4はUSB計測器による結果です。
シミュレーション結果とほぼ一致する結果になりました。
実測値が理論値より若干大きいのは計測器のクロストーク(CH1からCH2への漏れ込み)の影響と思われます

図4 CR回路の実験結果