ケーブル接続の基本 その2

信号以外のノイズを拾ってしまう
信号源と計測器間が離れている場合には接続ケーブルが周辺の磁界ノイズを拾ってしまう恐れがあります。磁界をシールドするには強磁性体で行う必要があり、容易ではありません。

特に図1のように配線にループがあるとそこを通る磁束がノイズの原因になります。

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図1 ループで拾う磁界ノイズ

対処法としては図2のようにケーブルを密接します。ツイストすることで寄生インダクタンスを減らすこともできます。AC電流が流れる配線もツイストすることで輻射ノイズを低減することができます。

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図2 ツイスト配線の効果

信号源のグラウンドと計測器のグランド間にノイズ源があるとこれは信号に直列に加わります。非絶縁入力であるオシロスコープではこのノイズと信号を分離することはできません。

離れた箇所に設置されたセンサーの信号を扱う機会の多いデータレコーダでは絶縁入力が採用される製品が多く、入力端子のマイナス側が筐体に接地されません。
そのためにグラウンドループをカットすることができ、コモンモード・ノイズから逃れることができます。

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図3 絶縁入力でノイズを低減

オシロスコープも絶縁入力にすれば良いのではないか、という意見がありますが、周波数帯域を上げることが容易ではありません。
計測器内部の増幅器を筐体グラウンドから浮かすためにはトランス、光通信技術を使いますが、ここに技術的なネックがあります。現在のところ周波数帯域40MHzが限度です。

そこでオシロスコープの長所である高帯域を保ったまま、高いコモンモード・ノイズ耐性を実現するためには差動プローブを使います。

図9のようにコモンモード・ノイズを低減できるだけでなく、プローブ本体に飛び込むノイズを低減することもできます。

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図4 代表的な汎用差動プローブ